極道に過ぎた、LOVE STORY
 数日後、担任から呼び出され教授室へと向かった。

 「良かったな。実習先が決まったよ」

 「えっ? 本当ですか?」


 どうしたらいいのかと頭を抱えていた先に、大きな光が見えたようだった。

 「ああ、長岡総合病院が別の大学からの実習にキャンセルが出て、もう一人実習受け入れられると連絡があったんだ。成績が良くて真面目な君なら問題ないと言ってくれている」

 「えっ? 長岡総合病院ですか?」

 「そうだ。大きな総合病院で、最新の技術も揃っているし、優れたドクター達の中で学べるのは貴重な経験になるだろう」

 「でも、本当に私なんかでいいのでしょうか?」

 「さっきも言っただろ。優秀で真面目な君なら問題ない。長岡院長は厳しいが、少し変わりものでね。医療に関して、真っ直ぐな医者だ。君が本気で医者になりたいと思うなら、長岡は力になってくれるよ」

 「はい。ありがとうございます。頑張ってきます」

 先生は、頭を下げた私の姿に、ホッとしたように笑みを見せた。


 構内のカフェテラスから出てくる学生の集団が目に入った。中心を優雅に歩く玲香と、お互い避けることなくすれ違う。

 「あなたに、礼を言うべきなのか?」

 私は立ち止まって言った。


 「さあ、何の事かしら? 私は、持っている武器を使っただけよ」

 玲香も立ち止まったようだが、振り向く事なく言った。


 「いい武器持っているな」

 「それはお互い様。でも、厳しいわよ。武器を無駄にしねいでね」

 「ああ」


 学生らの笑い声を背に吹いてきた風に、長い髪が頬に触れて邪魔だと思った。



 大学の入り口の方から、ソフトクリームが近づいて来るのが目に入った。思わず、気付かぬふりをして向き変え、カフェに向かった、
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