極道に過ぎた、LOVE STORY
 「ついてこなくていいよ」

 「羽柴さんに引き渡すまでは、俺の役目だ」

 迎えの車に向かう私の横を、康が一緒に並んで歩いている。

 「誰もそんな事、頼んでいない」

私は、怪訝な顔を向けた。


 「そういや、玲香の元彼の話はどうだったんだ?」

 「あれね。なんか、ややこしいみたい?」

 「ややこしい? 幸が、また恨まれる事になったりしないだろうな?」

 「さあね。影で轟川の名を使って、詐欺的なグループが動いている事は確からしいから。ただ、まるっきり轟川が絡んでいないのかは分からない。」

 「わざわざ、轟川の名を使う事にメリットがあるのか? 逆に組に知られたら危険なんじゃないのか?」

 「最近の悪さするグループは轟川の怖さを知らない若い奴らも多い。この時代、悪い事も変わって来ていて足もつきにくいと羽柴は言っていた。だけど、パパは、轟川の道理は通すと言ってる」

 「組長と、話たのか?」

 「久しぶりに帰って来たからね。最近、私の周りで起きた事を、話さない訳には行かないから」

 「そうか…… ヤクザも大変なんだな?」

 「パパは私には何も話さないから知らないことが多い。だけど、今回は私が絡んでしまったから。そうは行かないみたい」

 「組長は、幸が襲われた事が、組と関係あると思っているのか?」

 「うん。パパの考え方とは違う動きをしている者がいるとは言ってた。パパを潰すためには、私を脅しに使うのが一番早いから」

 「呑気な事言って、もう少し気をつけろよ。嫌な世界だな。幸が巻き込まれないで欲しい」

 「それは、無理かもね。そうだ、聞きたかった事がある」


 「なんだ?」

 康が、不思議そうな顔を私に向けた。
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