君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
建物の裏手にある警備室に行き、警備員からフラワーショップ花音と書かれた入館許可書をもらう。正面玄関に回ると、一階ロビーでエレベーターを待つ。
来るのは二回目だけど、今回は仕事として来てるから背筋が伸びる。
「そのお花、ガーベラですか?」
横を見ると、隣でエレベーターを待っていたロングヘアーの若い女性が、私の胸に抱えられている花束を見ていた。
「そうですよ。お花、お好きなんですか?」
「昔、花道をしていたことがあって」
「花道ですか」
高級そうな洋服に、ブランドのロゴがついたサングラス。見た目からして、お金持ちのお嬢様なのかもしれない。
「お花っていいですよね。見ていると心が癒されて」
「分ります」
女性の言葉に、強く同意した。
「小さい頃、住んでいたアパートの花壇にチューリップが咲いていたんですけど、悲しいことがあったら、よくそのチューリップを見ていたんです。そしたら、なんだか元気が湧いてきて、また頑張ろうって思えたんです」
雨の日も、風の日も、寒い雪の日も、花は負けることなく咲き誇っている。その凜とした姿がかっこよくて、自分もこんな風に強く生きたいと思った。
「あっ、なんかすいません、ペラペラと」
謝る私に、女性は「いえ」と綺麗な笑みを浮かべた。
「では」
そう言い、きたエレベーターに乗り込もうとした時だった。
「フラワーショップ花音……」
女性は、私の首にかけられた入館許可証を見て、そう呟いた。
「……もしかして、今井花音さん?」
「えっ」
(どうして私の名前を)
すると、女性はかけていたサングラスを外した。
(嘘!?)
驚いた。そこにいたのが、テレビの中でしか見たことない人物だったから。
「伊勢谷愛美さん……」
「あら、私のこと、存じ上げて下さっているのね」
政治に無知な私でも知っている。彼女は、元内閣総理大臣、伊勢谷徹の娘だ。
宝石のように輝く大きな瞳に、長いまつ毛。小さな顔にぷるぷるとした唇。極め付けはくびれのある細いスタイル。その容姿からよくメディアでも取り上げられている有名人で、彼女は男の理想と言われるほど美しい外見を持つ女性だ。
テレビでしか見たことなかったけど、実物はもっと綺麗だ。
私はエレベーターに乗り込むこと忘れて、愛美さんに見惚れてしまっていた。
(でも、どうして伊勢谷元総理の娘さんが、私のことを知っているんだろう)
不思議そうにしていると、愛美さんは上から下まで見定めるように私を見て、大きなため息をついた。
「普通ね」
「……はい?」
「あの要さんが選ぶ人だから、どんな人かと思っていたけど、普通すぎて、目に止まるものが一つもないわ」
(……これは、確実に嫌味だ)
つまらなそうな顔をしてそう言われ、モヤモヤとした気持ちになる。
(というか、要さんって、要くんのこと……?)
驚きと疑問で固まっていると、愛美さんは外に目を向けた。
「少し、お時間よろしいかしら?」
来るのは二回目だけど、今回は仕事として来てるから背筋が伸びる。
「そのお花、ガーベラですか?」
横を見ると、隣でエレベーターを待っていたロングヘアーの若い女性が、私の胸に抱えられている花束を見ていた。
「そうですよ。お花、お好きなんですか?」
「昔、花道をしていたことがあって」
「花道ですか」
高級そうな洋服に、ブランドのロゴがついたサングラス。見た目からして、お金持ちのお嬢様なのかもしれない。
「お花っていいですよね。見ていると心が癒されて」
「分ります」
女性の言葉に、強く同意した。
「小さい頃、住んでいたアパートの花壇にチューリップが咲いていたんですけど、悲しいことがあったら、よくそのチューリップを見ていたんです。そしたら、なんだか元気が湧いてきて、また頑張ろうって思えたんです」
雨の日も、風の日も、寒い雪の日も、花は負けることなく咲き誇っている。その凜とした姿がかっこよくて、自分もこんな風に強く生きたいと思った。
「あっ、なんかすいません、ペラペラと」
謝る私に、女性は「いえ」と綺麗な笑みを浮かべた。
「では」
そう言い、きたエレベーターに乗り込もうとした時だった。
「フラワーショップ花音……」
女性は、私の首にかけられた入館許可証を見て、そう呟いた。
「……もしかして、今井花音さん?」
「えっ」
(どうして私の名前を)
すると、女性はかけていたサングラスを外した。
(嘘!?)
驚いた。そこにいたのが、テレビの中でしか見たことない人物だったから。
「伊勢谷愛美さん……」
「あら、私のこと、存じ上げて下さっているのね」
政治に無知な私でも知っている。彼女は、元内閣総理大臣、伊勢谷徹の娘だ。
宝石のように輝く大きな瞳に、長いまつ毛。小さな顔にぷるぷるとした唇。極め付けはくびれのある細いスタイル。その容姿からよくメディアでも取り上げられている有名人で、彼女は男の理想と言われるほど美しい外見を持つ女性だ。
テレビでしか見たことなかったけど、実物はもっと綺麗だ。
私はエレベーターに乗り込むこと忘れて、愛美さんに見惚れてしまっていた。
(でも、どうして伊勢谷元総理の娘さんが、私のことを知っているんだろう)
不思議そうにしていると、愛美さんは上から下まで見定めるように私を見て、大きなため息をついた。
「普通ね」
「……はい?」
「あの要さんが選ぶ人だから、どんな人かと思っていたけど、普通すぎて、目に止まるものが一つもないわ」
(……これは、確実に嫌味だ)
つまらなそうな顔をしてそう言われ、モヤモヤとした気持ちになる。
(というか、要さんって、要くんのこと……?)
驚きと疑問で固まっていると、愛美さんは外に目を向けた。
「少し、お時間よろしいかしら?」