君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
花束を届け終えると、愛美さんに連れられ、警視庁近くにあるカフェに入った。
窓側の席、愛美さんと向かい合って座る。
注文を済ませると、周りの視線がこちらに向けられていることに気づいた。
もちろん、見ているのは私のことではない。伊勢谷愛美と分かっているのかはおき、みな彼女の美貌に心奪われているようだ。
(さっきの態度からよく思われていないことは分かったけど、こんな人が、一体私に何の用があるんだろう)
「……あの、どうして私のことをご存知なんですか? それに要さんって、郡司要さんのことを言っているんですか?」
愛美さんは運ばれてきた紅茶を一口飲むと、ゆったりとした口調で話し始めた。
「私たち、直接的にはお知り合いじゃないけど、全くの無関係でもないのよ。ほら、私って、政治家の娘だから」
そう言われて、ハッとした。
(そうだ……政治家の娘である愛美さんは、SPである要くんと会っていてもおかしくはない。二人は、知り合いなんだ)
理解した様子の私を見て、愛美さんは口元に小さな笑みを浮かべた。
「あなた鈍そうだし、単刀直入に言うけど、私、要さんのことが好きなの」
「……え?」
(愛美さんが、要くんを好き……?)
愛美さんの突然の告白に、頭が混乱し出す。
「彼と結婚したいと思ってる。だから父に頼んで縁談を申し込んだけど、好きな人がいるからって、断られたわ。あなたのことよ」
そう言った瞬間、愛美さんの顔から笑みが消えた。その冷たい表情からは、強い怒りが感じられた。
前に森下さんが言っていた。要くんは縁談を申し込まれていたと。それは、愛美さんのことだった。
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