君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
店を出てから、要くんは何も言わない。黙って私の手を引いて、警視庁までの道のりを歩いていた。
「要くん、どうしてここに?」
「警護帰り、車であのカフェの前を通りかかったら、君の姿が見えたから」
(それで忙しい中、来てくれたんだ)
足早に歩く要くん。その背中からは、まだ怒りが感じられた。
(あっ……)
急に足元がおぼつく。見ると、履いていたフラットシューズの片底が剥がれてきてしまっていた。
「要くん待って、靴が……」
私が足を止めると、振り向いた要くんも足を止める。
要くんは私の足元に視線を落とすと、辺りを見回した。
「えっ、あっ……!」
背中と膝裏に腕を回されたと思うと、ふわりと体が宙に浮いた。私を横抱きにすると、要くんは近くにあった噴水の椅子スペースに座らせた。
「少しここで待ってて」
そう言うと、声をかける間もなく、走ってどこかへ行ってしまう。
(要くん、どこへ……)
靴の底は、半分ほど剥がれていた。
(この靴、お気に入りだったんだけどな……)
黒いフラットシューズは、専門学校の卒業祝いに奮発して自分で買った。靴底は何度も剥がれてきていたけど、動きやすくて気に入っていたら、その度、修理に出して履いていた。
(長いこと履いていたから、もう寿命だろうけど、思入れ深い物だけあってへこむ……)
気を落としていると、要くんが戻ってきた。脇には、白い箱が抱えられている。
要くんは私の前に跪くと、片方だけ靴を脱がせ、立てていた自分の膝の上に、私の足を乗せた。
「か、要くん」
私の呼びかけに答えることなく、要くんは地面に置いた箱を開ける。
中から出てきたのは、黒いエナメルのフラットシューズだった。真ん中には、小さなリボンがついている。
「……これって」
「花音に似合うと思って、買ってきた」
可愛らしい靴が、私の足にピッタリとはまる。
「よかった。サイズ、これで合ってるね」
そう言い、もう片方の靴も、同じようにして履かせてくれる。
「要くん、どうしてここに?」
「警護帰り、車であのカフェの前を通りかかったら、君の姿が見えたから」
(それで忙しい中、来てくれたんだ)
足早に歩く要くん。その背中からは、まだ怒りが感じられた。
(あっ……)
急に足元がおぼつく。見ると、履いていたフラットシューズの片底が剥がれてきてしまっていた。
「要くん待って、靴が……」
私が足を止めると、振り向いた要くんも足を止める。
要くんは私の足元に視線を落とすと、辺りを見回した。
「えっ、あっ……!」
背中と膝裏に腕を回されたと思うと、ふわりと体が宙に浮いた。私を横抱きにすると、要くんは近くにあった噴水の椅子スペースに座らせた。
「少しここで待ってて」
そう言うと、声をかける間もなく、走ってどこかへ行ってしまう。
(要くん、どこへ……)
靴の底は、半分ほど剥がれていた。
(この靴、お気に入りだったんだけどな……)
黒いフラットシューズは、専門学校の卒業祝いに奮発して自分で買った。靴底は何度も剥がれてきていたけど、動きやすくて気に入っていたら、その度、修理に出して履いていた。
(長いこと履いていたから、もう寿命だろうけど、思入れ深い物だけあってへこむ……)
気を落としていると、要くんが戻ってきた。脇には、白い箱が抱えられている。
要くんは私の前に跪くと、片方だけ靴を脱がせ、立てていた自分の膝の上に、私の足を乗せた。
「か、要くん」
私の呼びかけに答えることなく、要くんは地面に置いた箱を開ける。
中から出てきたのは、黒いエナメルのフラットシューズだった。真ん中には、小さなリボンがついている。
「……これって」
「花音に似合うと思って、買ってきた」
可愛らしい靴が、私の足にピッタリとはまる。
「よかった。サイズ、これで合ってるね」
そう言い、もう片方の靴も、同じようにして履かせてくれる。