君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
「花音ちゃんって、姉弟いるか?」
警護課にやって来た才川は、神妙な面持ちで僕にそう聞いた。
「再婚した相手の連れ子で弟がいるみたいだけど、それがどうした?」
「その弟、十年前に暴力事件を起こしてるんだ」
「……何だって?」
耳を疑った。
才川によると、十年前。当時、中学生だった今井裕介(いまい ゆうすけ)は、義理の姉である花音をナイフで切りつけたと言う。帰宅した継母が、腕から血を流す花音を見て、救急隊に連絡をしたと言うが、幸い傷も深くなく命に別状はなかった。
(十年前ということは、ちょうど僕と別れた時……)
「今井裕介は未成年だったし、何より花音ちゃんの証言が大きかった」
「彼女はなんて?」
「ただ、戯れあっていただけだと」
(……嘘だ)
ナイフを持ちながら戯れ合うなど、慎重な性格の彼女がすることじゃない。それに、家族仲は良くなかったと聞いている。
「それで事件性はないと判断されたのか」
苦い顔で、才川は頷いた。
「今井花音って、どこかで聞いたことある名前だなと思って、気になって過去の調査資料を見直したんだ。そしたらこの通りだ」
警護課にやって来た才川は、神妙な面持ちで僕にそう聞いた。
「再婚した相手の連れ子で弟がいるみたいだけど、それがどうした?」
「その弟、十年前に暴力事件を起こしてるんだ」
「……何だって?」
耳を疑った。
才川によると、十年前。当時、中学生だった今井裕介(いまい ゆうすけ)は、義理の姉である花音をナイフで切りつけたと言う。帰宅した継母が、腕から血を流す花音を見て、救急隊に連絡をしたと言うが、幸い傷も深くなく命に別状はなかった。
(十年前ということは、ちょうど僕と別れた時……)
「今井裕介は未成年だったし、何より花音ちゃんの証言が大きかった」
「彼女はなんて?」
「ただ、戯れあっていただけだと」
(……嘘だ)
ナイフを持ちながら戯れ合うなど、慎重な性格の彼女がすることじゃない。それに、家族仲は良くなかったと聞いている。
「それで事件性はないと判断されたのか」
苦い顔で、才川は頷いた。
「今井花音って、どこかで聞いたことある名前だなと思って、気になって過去の調査資料を見直したんだ。そしたらこの通りだ」