【Quintet】
『帰りは夜遅くになると思うから、今日は俺達の分の夕食は作らなくていいからね。海斗が食べられそうな物だけ作ってやって』
「はぁい。いってらっしゃい」
悠真と晴と星夜を送り出した沙羅は洗濯と掃除を済ませ、海斗のお粥作りに取り掛かった。早いもので1ヶ月になる同居生活で海斗の食の好みは把握している。
彼に作ったのはたまご粥だ。
(星夜の家の問題ですっかり忘れてたけど私、海斗にキスされたんだ……)
このタイミングで先月の海斗とのファーストキスを思い出してしまった。婚約問題と星夜がバンドを続けられるにはどうしたらいいかで頭がいっぱいで、まるで自分の名前のようにサラーっと、海斗とのキスは記憶から抜け落ちていた。
(星夜には告白されてるけど海斗は……。海斗から好きだって言われてないよね。あのキスには何の意味があるの?)
沙羅の感覚では唇へのキスは恋人同士がするものだ。父とアメリカで数年暮らしていた時の現地の人間との挨拶もハグと頬へのキスだった。
悶々と思考を堂々巡りさせているうちにたまご粥が出来上がった。
「はぁい。いってらっしゃい」
悠真と晴と星夜を送り出した沙羅は洗濯と掃除を済ませ、海斗のお粥作りに取り掛かった。早いもので1ヶ月になる同居生活で海斗の食の好みは把握している。
彼に作ったのはたまご粥だ。
(星夜の家の問題ですっかり忘れてたけど私、海斗にキスされたんだ……)
このタイミングで先月の海斗とのファーストキスを思い出してしまった。婚約問題と星夜がバンドを続けられるにはどうしたらいいかで頭がいっぱいで、まるで自分の名前のようにサラーっと、海斗とのキスは記憶から抜け落ちていた。
(星夜には告白されてるけど海斗は……。海斗から好きだって言われてないよね。あのキスには何の意味があるの?)
沙羅の感覚では唇へのキスは恋人同士がするものだ。父とアメリカで数年暮らしていた時の現地の人間との挨拶もハグと頬へのキスだった。
悶々と思考を堂々巡りさせているうちにたまご粥が出来上がった。