【Quintet】
 真面目と不真面目を瞬時に切り替える彼にはいつもドギマギさせられる。

『俺達の今後の売り出しの方向性で事務所の上層部の意見が真っ二つに割れてるんだ。今まで通り音楽活動だけに専念させたい社長側と、顔を売り出した後は俺達にモデルや俳優の活動もさせたい常務側と。当然、悠真の意見は社長側』
「そんな大変なことになってたの? 全然知らなかった……」
『沙羅には心配かけさせたくないから皆、この話は沙羅の前では言わなかったんだよ。女優が新人の時には必ず水着グラビアをやらされるだろ? 常務は俺達にそういう仕事もさせたがってる。でもUN-SWAYEDはアイドルじゃなくアーティストだから。悠真はその信念を守りたいんだ』

“アイドルじゃなくてアーティスト”──ゴールデンウィークのキャンプの時に悠真が言っていた言葉だ。
これまでメディアに一切素顔を公表しなかった理由も音楽の評価だけで彼らの実力を証明するため。

『大人は汚い。金のなる木はとことん食い潰そうとする。UN-SWAYEDが金儲けしか考えない奴等に食い潰されないように、社長と悠真と沙羅のお父さんが前面に立って俺達を守ってくれてるんだ』

 アメリカにいる沙羅の父はUN-SWAYEDの総合プロデューサーとして、悠真はUN-SWAYEDのリーダーとして、沙羅が知り得ない場所で戦っている。
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