一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
ほのちゃんが言う。

葉ちゃん達も頷く。

「でも、大会まで練習ができない。練習してない奴が出たって試合には勝てない。だから、…俺は応援して、リハビリして、…次の大会には必ず出れるようにする。」

浅丘君の静かな落ち着いた声がシーンとした体育館に響く。

みんなの表情は重い。

「バーカ、当たり前だろ、お前がいなきゃ成り立つもんも成り立たねえよ。」

重い空気を破ったのは久住君の声だった。

「お前はこの部のキャプテンなんだ、そんな暗くなってどうすんだよ。あとは俺たちに任せて、さっさとその怪我治してこい!」

「優大…」

久住君は浅丘君のこと、ずっとずっと大切に思ってたんだ。

二人の絆は特別なんだ。

「そろそろ鍵閉めるぞ!学校から出ろ!」

外で顧問の先生の声がする。

みんながバタバタと出て行く中、あたしは浅丘君に腕を引かれた。

「一ノ瀬、今日、一緒に帰ろう?」

その目は真剣で。

なんだろう、ドキドキした。
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