一ノ瀬さん家の家庭事情。®️
「…ごめん、一ノ瀬。ちょっと一人になりたい。」

柚之木君を離すと教室から出て行った。

どうしよう…

追いかけなきゃ。

早く、早く行かなくちゃ…!!

「…待って。行かないで。ここにいてよ。」

「離して!…あたしが好きなのは、浅丘君だもん!」

早くこのことを言わなくちゃ。

ちゃんと伝えなくちゃ。

じゃないと、きっと…

「好き、こんな風に思うの、愛ちゃんが初めてなんだよ。俺、本気なんだ。」

いつも明るくて、チャラチャラしてて、軽いノリなのに。

なんでそんな目をするの?

「あいつよりも、ずっと前から好きなんだ。」

「えっ?」

「入学した時、告白したでしょ?アレ、本気だったんだよ。」

ウソだ。

あんな、軽いノリで言ってたのに。

「…付き合えないよ、柚之木君とは、付き合えない!」

あたしはその腕を振り払って教室を飛び出した。
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