一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「この子が同じ班の笹岡梨子！」

「よろしくね、愛ちゃん、はるひちゃん！」

ニコッと笑う梨子ちゃんはくりくりした大きな目がとてもかわいい女の子。

さらさらのポニーテールがとっても似合ってる。

「で、こっちが葉の彼女の塚本芽衣。」

「よろしくね、愛ちゃん。」

芽衣ちゃんは去年の文化祭の時、少し一緒に回ったんだよね。

確か吹奏楽部でトロンボーンっていう楽器を演奏してるんだっけ。

みんな優しそうで、すぐに仲良くなれた。

おしゃべりしながら温泉に向かってると、ちょうど隣の男湯から男子のグループが出てきた。

「よっ、リコピン！これから風呂？」

梨子ちゃんのポニーテールをクイッと掴んだ男の子。

「もう！そのアダ名やめてよ！」

「いいじゃん、お前トマトみたいに顔丸いし！」

「なんだと！そういうあんたはナスみたいに覇気のない顔してんじゃないの！」

「はあ？お前ナスに謝れ！あれ味噌漬けて食うとうまいんだぞ！俺のばあちゃんの畑のナス、滅茶うまいんだぞ！」