神殺しのクロノスタシス2
その日。

私は、自分の身に起きたことが信じられなかった。

一日中、ずっと挙動不審だった。

何もかもが、私の記憶にあるのと同じ。

全てが同じ…イーニシュフェルトの里。

ルーデュニア聖王国が建国される前。

私の生まれ故郷。

まだ…世界が平和だった頃の。

まるで、昔にタイムスリップしたかのようだった。

でも、不快だとは思わない。

だってここには、私の仲間がいる。

家族とも言える…私のふるさとの仲間達が。

その日の夜、私は困惑したまま、むしろで作った簡易ベッドに横たわった。

私だけではない。

焚き火を囲み、むしろを地面に敷いて、夜空を眺めながら皆で眠るのが、この里では当たり前だった。

…この現象は、一体何なんだろう。

私は、何でこんなところに…。

「…なぁ、シルナ」

「…」

私の横に寝ていた仲間…私の幼馴染み…が、こっそりと私に話しかけてきた。

あまり大きな声を出したら、皆を起こしてしまうから。

「…何?」

「お前、なんか今日変だぞ」

…変。

私が?

「昼間の鍛錬もサボるし、ずっと挙動不審だったし…」

「…それは…」

だって、何もかもが不可解で。

自分がどうして、ここにいるのかも。

「何かあったのか?」

「…」

心配そうな顔の幼馴染み。

…何かあったのかなんて、私が聞きたいくらいだ。

だってこの場所はもう…。

「…いや、何もないよ」

幼馴染みを心配させたくなくて、私はそう答えた。

何もない、はずがないのに。
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