あの場所へ

4.独りよがりの恋・・・


入院!!


七海がどこにいるのか分かったが,
本土の病院なんて
いくつもある,
どうやって探せばいいんだよ。


全く,相変わらず自分勝手なんだから,


心の中で叫んでも,
俺はどうしようもなかった。

保健室の先生に聞いても,
何も知らないというし,

七海の担任は
入院したことさえもしらず,

俺は八方塞状態になって,
ただ時がすぎていくのを
無情に待つことしかできなかった。




三学期が始まっても,
七海の姿は学校に現れなかった。

学校では,
夜逃げをしたとか,
男に連れ去られたとか,
最初は,
ありもしない噂ばかりが
あちこちで囁かれたが,

そのうち誰も気にしなくなっていった。



俺は,

七海のことを忘れるべきかどうか
悩んでいた。
俺が勝手に恋して始まった付き合いだった。

七海が
俺に直接好きだとか愛してるなんて
言葉を発したことがなかった。

もしかして,


俺の単なる一人相撲の恋だったんじゃなかったのだろうかと,


七海に対しての恋に自信がなくなり始めた頃だった。

< 23 / 38 >

この作品をシェア

pagetop