恋愛最前線
道弘の想い
週末 金曜日の夕方

智身のもとに 矢島から電話が入る。

都合が合えば 智身と惣市を道弘が食事を招待したいという用件だった。
早かれ 遅かれ…

彼の父親との話し合いは しなければならなかったから…


智身は、OKした…。

矢島は30分後に迎えに行きますと電話を切った。

「で、約束しちゃったの?」

「うん…だって、いづれはなさなきゃいけないし?」

惣市は タバコに火をつけると。

「わかったよー。着替えるわ」

「怒った?」

「怒ってないよ」

「嘘だ。怒ってるいいかたしてる…」

「怒ってないってば…」
惣市は智身をにらむと
「俺のこと試してるでしょ?」

「…ちょっと…」

2人はクッションを投げ合う。

「そんなね…すぐキレないから!」

「あ…今の。物凄い…説得力ない…」


30分きっかりに 矢島から電話が入る。

「ついたみたい!」
「すげーな。ピッタリ30分…アハハ」


矢島は後方座席のドアを開けて待っていた。


2人の乗車を確認すると、矢島は車を出す。

車内スピーカーで、惣市が矢島に話しかける。

「どこ?」
「麻布です。社長は先に行かれてますから」
「フーン…」



智身はもう少し、正装でくるべきだったなぁと…後悔するよな、店だった。


惣市はジーンズにロングTシャツ。
更にカジュアルとゆうか…

「矢島さん…服装へいきですか?」

惣市は だいじょぶだよと智身の手首を握ると 中へ入って行く。


「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。お父様は先にお待ちしております…」

支配人らしいウェイターが 惣市と智身を案内する。

矢島は、支配人に ヨロシクお願いしますというと、また店を出て行った。


2階。座敷。
「こちらでございます」
智身は…手を握る。

惣市は
「もういいよ。料理だして。ウーロン茶とコーラ」
支配人は、かしこまりましたと入口を離れる。

惣市は智身に軽くキスした…。

「だいじょぶだいじょぶ…たくさんくおーぜ。蟹だかに~」
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