花隠し



「菫…ちょっといい?」





刹那、控えめな声が空気の膜を破った。



不服そうに離れる琉平を横目に、私は声の主の方を向く。



クラスメイトの実里だった。



指先がかすかに震え、くちびるが青い。



なにより、目の縁が赤黒く窪んでいる。



様子がおかしいことは火を見るより明らかで、内心動揺しながらも実里へと意識を切り替えた。



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