俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~

ぴょんぴょん跳びはね、花音は弾けた笑顔を見せる。

「あとで花音も里穂ちゃんのピアノ弾いていい?」

「いいわよ。花音ちゃんの演奏、楽しみだな」

途端にぱあっと顔をほころばせた花音の頭を撫でながら里穂が立ち上がった時。 

「里穂」

カフェに着いてから杏や会社の人たちと言葉を交わしていた蒼真に声をかけられた。

「今日、メディカルメイクの取材でうちの広報が来てるんだ」

蒼真の背後から、カメラを手にした男性が顔を出し、にこやかな笑顔で頭を下げる。

「こんにちは。今日はよろしくお願いします」

「よろしく?」

里穂は目をまたたかせ、蒼真を見上げた。

「気にしなくていい。うちのHPでメディカルメイクの特集を組むから今日は参加者へのインタビューと講習会の写真を撮ることになってるんだ」

「写真ですか」

「ああ。里穂や花音ちゃんの顔は出さないから大丈夫。もしかしたら遠目に後ろ姿くらいは出るかもしれないが」

ホームページやインタビューと聞いて身構えてしまったが、その程度なら大丈夫だ。

里穂はカメラマンに笑顔を返した。

「里穂ちゃん、早くピアノ弾いて」

待ちくたびれた花音に手を引っ張られ、里穂は蒼真とカメラマンに会釈しカフェの奥のグランドピアノへと足を向けた。





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