エリートなあなた
10分ほど経った頃――今度は彼らの“お腹空いた”コールが始まった。
たしかに松岡さんとこの店にやって来てから、すでに40分ほど経過している。
それでも女将の“ドリンクはどうなさいます?”の声には、
「あと1人を待ちたいのですみません」と、2人揃って断りを入れてしまう。
合間を見計らっては、その方へ“嫌味オンパレード”メールを送りつける絵美さん。
素早い指先の動きで「会ったら覚えとけ」と、1分前には送ったらしい。
「俺も送っとこ――お姉さまの肌が干からびてますけどって」
「うっさい、私は肌年齢25歳だっつーの!
そりゃあ真帆ちゃんには負けるけど。ねっ?」
「いえいえ、…私の方がカサカサですもん」
そして冒頭のコールを繰り返す2人と、ひたすらお水で喉を潤す時間がすぎていた。
すると騒がしい店内の中、何度も聞いた案内の声が初めて近づいて来たのが分かる。