エリートなあなた
急に黙り込んだ私の顔を覗いて来る彼女。どうにか口元を緩ませて平静を装った。
アーモンド形の目に長い睫毛が美人度を引き立て、肩下で揺れる巻き髪も変わらず綺麗。
その絵美さんを眺める松岡さんにしても、いつになく優しい目をしていた。
「あ、あの、あともう1人の方って?」
「もうすぐ来るって――タクシー代もったいないから早くしろって言ったのに!」
「お姉さんいちいちカリカリしないでよ」
「うっさいわ!」
憤慨している絵美さんから察するに、きっと最後の一人も同じ会社の人だ。
ただその人が誰か考える余裕もなくて、ぼんやり2人のやり取りを見ていた。