エリートなあなた
――そしてどれくらい経ったのだろうか。
銀糸を引きながらゆっくり離れると同時、カクンと膝が折れるように力が抜けた。
はぁはぁ、と酸素を求めて肩で呼吸をする私を支えているのは、綺麗な唇の腫れた彼。
熱を宿したダークグレイの眼差しに捉えられて、お腹あたりにきゅんとくる。
「大丈夫?」
「…ん、」
熱に侵された口では“はい”さえ紡ぐことが出来なくて。コクンと頷くので精一杯だ。
真っ赤であろう顔を隠すように彼の胸を借りていると、少しずつ息も落ち着いて来た。
「あの、かちょ」
「課長じゃない、」
「…え?」
“もう大丈夫です”を遮られて頭上にある彼を窺うと、どこか不満げな表情をする。