エリートなあなた
すると距離を詰めるようにしてゆっくり、席へまた一歩近づいた修平さん。
私のすぐ側で立ち止まると、ふわり彼の男らしい香りが鼻腔をついた。
「――ごめんなさい!
こちらは大学の時の友人で…、佐々木剛史くんです」
剛史を紹介するため手を向けると、おもむろにパスケースを取り出した彼。
「――佐々木剛史です、どうも」
差し出された名刺を丁寧に受け取った彼の表情は、実に事務的でクールである。
「ご丁寧にありがとうございます。初めまして、黒岩です」
「知ってます。SJ社の黒岩さんの噂はかねがね、」
名刺を出さず名乗っただけの彼に対し、まさかの答えで肩が跳ねたのは私だった。
「――真帆、この方が?」
その言葉に隠せないと、こくんと小さく頷いた。