エリートなあなた


すると距離を詰めるようにしてゆっくり、席へまた一歩近づいた修平さん。



私のすぐ側で立ち止まると、ふわり彼の男らしい香りが鼻腔をついた。



「――ごめんなさい!

こちらは大学の時の友人で…、佐々木剛史くんです」


剛史を紹介するため手を向けると、おもむろにパスケースを取り出した彼。


「――佐々木剛史です、どうも」


差し出された名刺を丁寧に受け取った彼の表情は、実に事務的でクールである。



「ご丁寧にありがとうございます。初めまして、黒岩です」


「知ってます。SJ社の黒岩さんの噂はかねがね、」


名刺を出さず名乗っただけの彼に対し、まさかの答えで肩が跳ねたのは私だった。


「――真帆、この方が?」


その言葉に隠せないと、こくんと小さく頷いた。



< 241 / 367 >

この作品をシェア

pagetop