エリートなあなた
通常の修平さんだとすぐさま名刺を出すけれど、今日はあえて出さなかった。
しかしながらハートバイオ社は取引先となれば、彼を知っているのも致し方ない。
――完全に私のせいだ。迎えに来て欲しいとか、妙なワガママ言ったせいで…。
「ええ、お世話になっております」
冷や汗タラリと流れ落ちそうな私を尻目に、修平さんは相変わらず穏やかな表情。
「いや、こちらの方が黒岩さんにいつもお助け頂いてると伺ってます!…けど、」
そして剛史といえば、すっかりアルコールの抜けた私と彼の顔を交互に見て来る。
――ちょっと待って。その“けど”の続きって何なのよー!