エリートなあなた
結局はダークグレイの瞳に捉えられると、何も言えなくなってしまうのだけれど…。
さらに今日ここへやって来たのは、熱田神宮という場所にも理由があると教えてくれた。
出産の安産祈願・初宮詣で・七五三など…、修平さんの誕生に纏わるすべてをここで行っているそうだ。
つまり、黒岩 修平という人の始まりから見守って下さっている場所ということ。
本宮をあとにする時――最後に一度だけ振り返った彼が、どこか切なそうに微笑んだ。
「…ここに来ると、色々思い出させてくれるんだよな…。
また頑張ろうと奮起させる不思議な力がある一方、…同時に忘れられないことも戒めとして教えてくれる場所でもあるから。
――どんな時でも迷いを払拭させて、この気持ちを固めてくれるんだ」
「…、」
社でよりもっと遠く、…はるか遠くの何かを見ている彼の横顔に閉口した私。
修平さんの心中が分かるはずなく、言葉に込められた意味にも気づくことなく――