エリートなあなた


さらにパスタをフォークに絡ませて食すと、もぐもぐ口を動かしながらジッと見られる。…可哀想なものでも見る、その目は止めて頂きたい。



「少しは可哀想になるわね、こうなると――真帆にフラれた歴代の男もその男を諦めた女たちも」


「ちょっと瑞穂?失礼なんだけど」


少し口を尖らせて言ったものの。今度はどうでも良いわ、とグラスに入ったアイスティーを悠長に飲んでいる。



「その課長?の対応は大人だけど、やり返さなかった真帆も悪いわね。

大体ね、今までその女に好き勝手されてたわけ?つけ上がらせる原因を作ったのは、アンタにもあるわよ」


グラスを置いてこちらを見据えている彼女。語調も発言も鋭さが際立っていた。



「…仕方ないじゃない。仕事が絡むとやっぱり気を使うし、言われてみるとそうだなって思ったのよ!

それに私、殴られたの初めてでびっくりしたし…、」


「はぁ、生ぬるいなぁ…。やられた分は密かにやり返すでしょ?――私は絶対にね」


だがしかし、親友だから言わせて貰いたい――見た目と裏腹の性格は、少々難ありだろう。



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