エリートなあなた


「とにかく!もういいの、」


「何よー。素晴らしい方法教えてあげるのに」


「もー怖いから!」


聡い彼女ならば冗談でなく、密かにとんでもない仕返しを企てて実行しかねない…。



「真帆って、妙なところで遠慮するよね」


「…それは遠慮って言わないの」


ちなみに彼女は、林 瑞穂(ハヤシミズホ)。大学時代に女子の少ない理工学部で知り合い、互いに親友といえる仲だ。



肩まで長さの茶色い髪を、いつも上品に巻いている彼女。洋服は高身長と長い足を引き立てるパンツスタイルが多い。



どこかの雑誌に出られそう(実際スカウト経験数回)な、ハーフ系の顔立ちをした美女でもある。



「そういう瑞穂こそ、この前のコンパはどうだったの?」


すっかり汗をかいているグラスの中の氷を、ストローでカラカラとかき混ぜる彼女に尋ねた。



しかしながら。瞬時に顔をしかめた時点で、この前のコンパが散々な結果だったと告げている。



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