エリートなあなた
「黒岩さん!ちょっと2人で出てきますー」
そう私の後ろへと声をかけた松岡さん。相変わらず手を掴んだまま、スタスタと歩くその行動にびっくりだ。
もっとも職場で2度目ましてな関係での“真帆ちゃん”呼びだから、目を白黒させてしまった。
手を引かれて試作部からあっさり退出した私たち。そんな彼は左方向へと向かった。
されるがままの私の視界は、紺のジャケットの背中が映るのみ。
「松岡さん、…どこ行かれるんですか!?」
「着いてのお楽しみ?」
“はあああ!?”と出かけた言葉は仕事中だと呑み込んで。
なおもテンポ良く前をスタスタと歩く彼に従って行く。