無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
「私の自宅は部屋が余っていますから、穂乃花さんにはひとまず私の自宅に越していただければと思うのですが」

 胡乱な顔をする由惟をよそに、真紘はいけしゃあしゃあと話を進めている。
 だが現実問題、無理に決まっている。なにせ、今ここにいる穂乃花は赤の他人の由惟なので。
 穂乃花本人は、お見合い結婚を拒否して逃げている。興信所を使って探しても見つからなかったと言っていた。そんな状況ですぐに入籍して同居するなんて不可能だ。
 
 現に寛二は笑顔のまま脂汗を滲ませて固まっている。どうするんだろう。ハラハラしながら様子を伺っていると、口を開いたのはみどりだった。

「まあ。そんなに娘を気に入ってくださって嬉しいわ。でも入籍は…… 結納の段取りとか親族へのおひろめなんかもあるし、すぐには難しいかしら。同居は賛成だけど、結婚式の準備はこちらでやらせていただくから、その間、穂乃花にはうちにいてほしいし。だからそうね、半年くらい一緒に住むのはどう?結婚式が近くなったら準備のために一旦うちに帰ってきてくれると、私も助かるわ」

 ね?と有無を言わさぬ笑顔をみどりから唐突に向けられた。なぜ、こちらに同意を求めるんだろう。とはいえ無視するわけにもいかず、由惟は頷いた。
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