早河シリーズ第五幕【揚羽蝶】
車は環七通りを逸れ、国道15号の第一京浜に入った。そこから産業道路に入り、やがてゴルフ練習場の駐車場に滑り込んだ。
ナイター営業中のゴルフ場の駐車場には何台か車が停まっていた。ケルベロスの車は駐車場の最奥で停車する。
「ゴルフなんかしないくせに、よくこんな場所を知っているのね」
『都内の施設の位置は大半は頭に入っています』
「やましいことができる場所、の間違いじゃない?」
バックミラー越しにケルベロスと莉央の視線が交わる。彼は運転席から降りて莉央のいる後部座席に乗り込んだ。
隣にいる莉央を引き寄せてキスをした。何度も唇を重ねて、擦り合わせ、舐めて、絡ませ、吸った。
ケルベロスの手が莉央の羽織るデニムジャケットを肩から外し、背中に手を回してワンピースの後ろのファスナーを下ろした。
下着越しに現れた華奢なデコルテと豊かな胸の膨らみがケルベロスの欲情を煽る。
さらに下着をずらして生身となった乳房の谷間に彼は顔を埋めた。芳しいローズの香りが身体中から香っている。莉央の香りだ。
莉央は何も言わない。抵抗もしない。ただ胸元にいるケルベロスの黒々とした短髪に手を差し入れ撫でてやる。
莉央の胸の膨らみに頬擦りしていた彼は陶酔の眼差しで彼女を見上げた。莉央を見ながら彼女の胸の突起に無我夢中で吸い付く彼は乳飲み子の赤子同然だ。
ケルベロスは幸せだった。もし近い未来に莉央が貴嶋の子を宿し、母になったのならば口に含んでいるここから母乳が溢れ出てくる。
母乳は母親の血液から作られるそうだ。彼女の血も汗も体液も、余すことなく一滴残らず飲み干したい。
今でも豊かなこの胸は張り裂けそうなほど膨らみ、そこから溢れる白い液体。想像するとそれは男のモノと似通った光景だった。
莉央の胸から下へ、ケルベロスは移動する。長身の身体を窮屈そうに折り曲げて後部座席のシートの下に膝まずいた彼は莉央の右足を持ち上げた。
彼女の粘膜と同じ色をしたパンプスを丁寧に脱がせ、ストッキングで覆われた彼女の右足の甲に口付けした。次は右足の爪先にキスをする。
足の甲へのキスは隷属《れいぞく》、爪先へのキスには崇拝の意味がある。ケルベロスが女の足に口付けするのは後にも先にも莉央しかいない。
ケルベロスの手でストッキングが剥がされた。ストッキングよりも一段と色の白い脚は、つるりと滑らかな肌触り。
足先から脚の付け根を目指して、順に莉央の肌に舌を這わせるケルベロスのスラックスの内側は雄々しさを増していた。
やがて到達した脚の付け根のさらなる先へ、彼は迷いなく進む。今夜の莉央のショーツは彼女の白肌に映える深紅のレース素材。
他の女が相手ならショーツの色や素材などろくに見ずに脱がせてしまうが、莉央に関しては下着さえもケルベロスを悦ばせる材料だった。
ケルベロスが貴嶋を裏切ったのは3年前に莉央がアメリカから帰国した直後。
あの日は貴嶋もスコーピオンも自宅に不在だった。昼間から入浴を楽しんでいた莉央を、ケルベロスはバスルームに侵入して犯した。
莉央がアメリカ滞在中、幾度も貴嶋に抱かれたであろうその身体は少女から女へ、見事に成熟していた。胸も尻も脚も、その先に潜む女の部分も、莉央の身体のすべてが男を惹きつける甘い香りを放っている。
最初は莉央に激しく拒まれたことを覚えている。
拒まれても彼の煩悩は抑えきれず、諦めた顔の莉央を見下ろして射精した時の快感は格別だった。
貴嶋の知ることとなれば確実に殺される。その恐怖と背徳感ですら快楽を増長させる材料だった。
無理やり我が物にしたあの日から……いや、初めて莉央と出会ったあの時からケルベロスの心は莉央に囚われ、服従している。
──月明かりに照らされた車体が数分間、妖しく揺れていた。
ナイター営業中のゴルフ場の駐車場には何台か車が停まっていた。ケルベロスの車は駐車場の最奥で停車する。
「ゴルフなんかしないくせに、よくこんな場所を知っているのね」
『都内の施設の位置は大半は頭に入っています』
「やましいことができる場所、の間違いじゃない?」
バックミラー越しにケルベロスと莉央の視線が交わる。彼は運転席から降りて莉央のいる後部座席に乗り込んだ。
隣にいる莉央を引き寄せてキスをした。何度も唇を重ねて、擦り合わせ、舐めて、絡ませ、吸った。
ケルベロスの手が莉央の羽織るデニムジャケットを肩から外し、背中に手を回してワンピースの後ろのファスナーを下ろした。
下着越しに現れた華奢なデコルテと豊かな胸の膨らみがケルベロスの欲情を煽る。
さらに下着をずらして生身となった乳房の谷間に彼は顔を埋めた。芳しいローズの香りが身体中から香っている。莉央の香りだ。
莉央は何も言わない。抵抗もしない。ただ胸元にいるケルベロスの黒々とした短髪に手を差し入れ撫でてやる。
莉央の胸の膨らみに頬擦りしていた彼は陶酔の眼差しで彼女を見上げた。莉央を見ながら彼女の胸の突起に無我夢中で吸い付く彼は乳飲み子の赤子同然だ。
ケルベロスは幸せだった。もし近い未来に莉央が貴嶋の子を宿し、母になったのならば口に含んでいるここから母乳が溢れ出てくる。
母乳は母親の血液から作られるそうだ。彼女の血も汗も体液も、余すことなく一滴残らず飲み干したい。
今でも豊かなこの胸は張り裂けそうなほど膨らみ、そこから溢れる白い液体。想像するとそれは男のモノと似通った光景だった。
莉央の胸から下へ、ケルベロスは移動する。長身の身体を窮屈そうに折り曲げて後部座席のシートの下に膝まずいた彼は莉央の右足を持ち上げた。
彼女の粘膜と同じ色をしたパンプスを丁寧に脱がせ、ストッキングで覆われた彼女の右足の甲に口付けした。次は右足の爪先にキスをする。
足の甲へのキスは隷属《れいぞく》、爪先へのキスには崇拝の意味がある。ケルベロスが女の足に口付けするのは後にも先にも莉央しかいない。
ケルベロスの手でストッキングが剥がされた。ストッキングよりも一段と色の白い脚は、つるりと滑らかな肌触り。
足先から脚の付け根を目指して、順に莉央の肌に舌を這わせるケルベロスのスラックスの内側は雄々しさを増していた。
やがて到達した脚の付け根のさらなる先へ、彼は迷いなく進む。今夜の莉央のショーツは彼女の白肌に映える深紅のレース素材。
他の女が相手ならショーツの色や素材などろくに見ずに脱がせてしまうが、莉央に関しては下着さえもケルベロスを悦ばせる材料だった。
ケルベロスが貴嶋を裏切ったのは3年前に莉央がアメリカから帰国した直後。
あの日は貴嶋もスコーピオンも自宅に不在だった。昼間から入浴を楽しんでいた莉央を、ケルベロスはバスルームに侵入して犯した。
莉央がアメリカ滞在中、幾度も貴嶋に抱かれたであろうその身体は少女から女へ、見事に成熟していた。胸も尻も脚も、その先に潜む女の部分も、莉央の身体のすべてが男を惹きつける甘い香りを放っている。
最初は莉央に激しく拒まれたことを覚えている。
拒まれても彼の煩悩は抑えきれず、諦めた顔の莉央を見下ろして射精した時の快感は格別だった。
貴嶋の知ることとなれば確実に殺される。その恐怖と背徳感ですら快楽を増長させる材料だった。
無理やり我が物にしたあの日から……いや、初めて莉央と出会ったあの時からケルベロスの心は莉央に囚われ、服従している。
──月明かりに照らされた車体が数分間、妖しく揺れていた。