(一)この世界ごと愛したい
ただ悶々と。
気になって気になって、正直本どころでもない私は執務室を目指して走る。
「るうー!!!」
執務室のドアを開くと、ハルとるう。
そして重役の人が一人。
その全員が目を丸くして私を見る中、私はるうに詰め寄る。
「お前…待ってろって言っただろ!?」
「だってるう遅い。」
「まだ一時間しか経ってねえぞ!?」
…そうだったのか。
本読んでると時間が経つのが早く感じるけど、今日はそんなもんだったのか。
「…ハル!!!」
「…何だよ。」
「ちょっとるうとチェンジするから。」
るうの仕事を私が請け負うので、るうに誰に聞くか知らないけど早く聞いてきてくれと促す。
「…よし分かった。」
「おいハル!?」
「ルイ、さっさと行ってこい。」
「…あーもう。すぐ戻る。」
執務室に嵐としてやってきた私は、るうと交代し仕事を受けることになった…が。
「…何、これ。」
「ようやくここに来たなあ、リン。」
「え…。は、ハル…。」
「ルイの代わりに、これよろしく。」
目の前にてんこ盛り置かれた書類。
私が帰国してからこの執務室に立ち寄らなかったのは、今後統帥するハルに任せるべきことだと思ったのと。
絶対に仕事が山のように溜まっているのを…知っていたから。
面倒事に巻き込まれるのが嫌で、避けていたことを…思い出してしまった。