(一)この世界ごと愛したい
私は素直にすごいと言ったけど、レンはどこか自嘲したように笑う。
「…すごいのは君たちだよ。」
「え?」
「この国では、王族が医術師になるなんてくだらないって笑われるだけ。戦に出るか否か、またその功績でしか人を判断しようとしないから。」
「…うーん?」
そういうものだろうか?
私は戦に出るから自分が偉いとは思ったことはないし、仮にアルが医術師になりたいと言ったって、私は全力で応援する自信がある。
もちろん家族総出で。ハルはきっと旗振って応援するだろうな。
「…医術師になるためには、試験があるって本で読んだんだけど。」
「そうだよ?」
「じゃあやっぱりすごいんじゃない?陛下も、無論他の王子たちも無理だよ絶対。私にだって無理だもん。」
寝起きであまり働かない頭では、こんな至極当たり前のことしか言えないけど。
レンは驚いたように目を丸くして私を見る。
「君は発想は突飛だね。」
「え、褒められてる?」
「もちろん。」