(一)この世界ごと愛したい




えーっと。


じゃあ私はどうすれば…?




このまま寝ちゃう?




「……。」


「……。」




もうなーんにも喋ることもないし。


離してもくれそうにないし。



…寝よう。





「君は面白いね。」


「なにが?」


「警戒心があるのかないのか分からない。」




私にだって分かりません。




「私もう寝ます。」


「ふはっ…!」


「なんで笑うの!?」


「夫婦になった人たちが、初夜を過ごすこの場所で寝ますって宣言されたのが面白くて。」





……っ!!!




ようやくこの場所のことを理解しました。



そういうことね!?ソウイウコトなのね!?




だからか!だからあのメイドさん、うふふって笑ってたのか!!!






「ま、待って!ごめん私知らなくてっ…!」



とにかくレンから一度離れようと、レンの胸を押すがびくともしなくて。




「大丈夫だよ。」


「へ?」


「なにもしない。約束する。」




そう言われたことで、若干落ち着く私の素直な心。




あ、焦った…!!!


まさかこんなところにこんな罠があったとは。





「顔、真っ赤だね。」


「っ!!!」


「あー。可愛すぎて約束守れなかったらごめんね。」




ごめんねで許されることじゃないと思います。




私の心臓が騒がしく鳴る。


落ち着け、落ち着け。



大丈夫。何かあったって、私なら切り抜けられる。大丈夫大丈夫。




< 520 / 1,300 >

この作品をシェア

pagetop