(一)この世界ごと愛したい
「…おい。」
「っ!」
声をかけられ振り返ると、不機嫌そうなるうが立っていた。
「縁起でもねえこと言うな。」
こつんと私の頭を叩く。
「…るう、私なーんにも準備終わってないの。」
「だろうな。」
「もう明日なのに。」
「大変だな。」
やっぱり終わった!!!
他人事のようにそう言ったるうを見て、私はもう間に合わないことを悟る。
もうだめだ。今から寝る間を惜しんでやったって終わりっこない。やっぱり諦めるしかない。
「るうは街にお出かけだったの?」
「まあな。」
「美味しいものあった?」
「……。」
まるで人を馬鹿にするかのような、冷めた目線を私に向ける。
え?街といえば美味しいものを食べるために行くんじゃないのか?