(一)この世界ごと愛したい
「…戻らねえわけねえだろ。」
るうの声が背後から聞こえる。
「万が一の話しだよ。」
「万が一も億が一もねえ。ヤバいと思ったら俺が抱えて走る。」
「私の心配なんかいらないって分かってるくせに。」
どうせ私を本気で殺しにくる人なんていない。
エリクが糸を引いているなら尚更。
「そろそろ行くぞ。」
「…あ。これ、るうが持ってて。」
私はハルの薬をるうに託す。
レンは私を想って、私に預けたんだろうけど。
きっと私はアレンデールに届けることが難しいから、どうせるうに頼むことになる。
「なんだこれ。」
「ハルを起こす魔法の薬だって。」
それにはるうも驚いていて。
思ってるより全然早く完成したし、私もびっくり仰天だったから気持ちは分かる。
「…すげえな。」
「ほんとに。」
レンって実は、本当にすごい人だ。