(一)この世界ごと愛したい




「…おかえりー。」


「また本取りに行ってたのか。」


「うん。」



るうは、何やら荷物も抱えていて。


換金しただけでなく、お買い物もしてきたんだろうと気付く。




「るうほしい物あったー?」


「…いや。」



結局ほしい物が見つけられず、私の服だけ買ってきたのだと言うるう。




「るうって物欲ないよね。」


「考えてみたんだけど、これと言って浮かばなかった。」


「アクセサリーとかさ?ネックレスいつもつけてるじゃん?」


「これはハルにもらったんだ。」




るうが毎日つけてるシンプルなシルバーのネックレスは、なんとハルからの贈り物と。


全然知らなかった!!!





「お前が誕生日にハルにネックレスあげた年があったろ?」


「あー…あったかも?」


「それを今後つけるから、今使ってるのいらねえって言ってくれた。」


「まさかの押し出し。るうもいらなかったらいらないって言いなよ!?それはハルひどいよ!?」




ハルってそうなんだよね。


デリカシーないというか、ガサツというか。




「別に外す機会もなかったし、そのままにしてるだけだ。」


「ごめんよ。私が怒っとくね。」


「別に気にしてねえよ。」




それから、お風呂の支度をしてもらって。ご飯も食べて。あとは寝るだけですが。


本があると読みたくなる性分で。



るうが自分の部屋に戻ったあとも、私は一人で黙々と本を読み続ける。




でも、ふと…人の気配を外から感じて。




窓から中庭を覗くと、レンが夜中にも関わらず薬草と戯れている懐かしい絵。



私は、その姿から思わず目を背ける。





「…逃げてばっかいても仕方ないか。」



明日ちゃんと考えをまとめてから、レンと話をしよう。




そう考えて私は再び本と向き合い、気が付けばそのまま寝落ちしてしまっていました。




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