(一)この世界ごと愛したい
誕生日と返事
レンの説得に成功し。
かなり心が軽くなった私。
もう何も怖くない状態です。何でもかかって来いくらいの気持ちです。
そんなある日。
アキト軍が恩賞授与のために王宮へやってきた。
「リンー!」
「あ、トキっ!久しぶりー!」
私を見つけるや否や、トキが走ってきてくれた…けど、勢い良く私に飛びつくもので。
私は咄嗟に受け止めきれず、二人で床に倒れ込む。
「いたー…。」
衝撃で瞑ってしまった目を開くと、目の前にトキの顔があって。
一瞬戸惑う。
「リン。」
「へ?」
そのままトキの顔が私に近付く…が。
「お前等二人揃って油断も隙もねえな。」
るうが瞬時に私を救出。
一体何が起こったのか、現状把握できていない私にトキが笑っている。
「いやもう嬉しくて、つい。」
「ついじゃねえんだよ。」
「ただの感謝の気持ちだよ。そう噛み付かなくてもいいんじゃない?リンは誰のものでもないんだし?」
感謝の気持ち…?
キスされかけた気がしたけど、感謝の気持ちとしてする意味もあるのか!?
「私もう分からなくなってきた。」
「分からなくていい。」
そんな私たちを見たアキトも、嬉しそうに目を細めて見ています。
「トキを懐かせるなんてやるなあ?リン?」
「いやいや、懐かれてないよ。」
「俺はトキが自分から女に飛びつくのなんて初めて見た。」
そう言われたトキはすかさず反論。
「アキトは見境ないもんね?昨日も女の子連れ込んで楽しそうだったもんね?」
「なっ…馬鹿!連れ込んでねえよ!!!」
「あれ?リンの前で言うのはまずかった?」
「トキてめえ!待てコラ!!」
楽しそうに追いかけっこを始めた二人。
そんな二人をるうと見つめながら、やっと部屋が片付くねーと話していました。
私の分の恩賞がもう邪魔で邪魔で。
「トキ、貰ってくれるなら早く持ってってねー。」
「リン本当に可愛いよ!ありがとう!!」
アキトを振り切って。
私に可愛いと言って。しっかり私の手を握るトキ。
その可愛いと言った台詞がお世辞だと分かったのは、完全にトキの目がお金マークになっていたから。