(一)この世界ごと愛したい
「ああっ…ハルっ!」
「……腹減ったー。」
涙を流して、歓喜するママを横目に。
至って自由なハル。
私とるうの予想通りの第一声を発したかと思うと、すぐに違和感に気付く。
「…リン…って、頭痛え。何だこれ。」
「お兄ちゃん大丈夫!?」
「…アルか?」
大人達の異変には気付かなくとも、小さかったアルの成長には驚く。
それはそうだ。
ハルの時は二年前で止まっている。
「ハル…。とりあえず食事を用意するわね。先生ご指示くださいますか?」
「ああ、本当によかった…。王妃様、おめでとうございます。」
ママとジジイが地下室を一度退室。
アルはハルの目覚めが嬉しくて、ぴょんぴょんとハルの周りを駆け回る。
「お兄ちゃんが起きたー!」
「…アル。兄ちゃん頭痛えからジジイに薬頼んできてくれ。」
「うん!待っててっ!」
アルもママ達の後を追って退室。
約二年ぶりの。
ハルとるうの再会。
感動したものになるかと思いきや、雲行きは怪しい。
「…ルイ。」
「起きて早々俺にキレるな。」
その殺気は全開。
もう触れれば殺されるのではないかと、錯覚するほどの殺意をるうに向けるハル。
「リンはどこだ。」
「元気でやってる。」
「なんでリンがいねえのにお前がここにいる。」
「…説明はする。今はとりあえず落ち着け。」
「じゃあ今すぐリン連れて来い。」
私の安否を確認しないと落ち着くことが出来ないハルに、るうはやれやれと頭を悩ませる。
どうやらハルヘの事の経緯は、父の側近から話をすることが決まっているらしく。何も話す事を許されないるうは、とりあえずこの場を落ち着かせたいと考える。
「とにかく今は落ち着け。リンもお前を待ってる。だからまずは身体を第一に…って、おい!!」
「…嫌な予感がすんなあ。」
身体を無理矢理に起こすハルに、驚くるう。