メールチェッカー 【2】
脳内にとっさに浮かんだのは、どこかで聞きかじった知識だった。
『Eメールはまれに届かないことがあるんだ。
郵便物だってそうだろう?迷子になっちゃうこと、あるんだよ』
テレビだっただろうか、誰かから聞いたのだろうか。
……いや、今はそんなことはどうでもいい。
とにかく、メールは確実ではないという事実。
それさえあれば、このメールを早人が確認できなかったことにも言い訳がつく。
一応どのくらいの重要度かと目を通してはみたが、あまり理解のできない内容だった。
それよりも、早くしなければここに早人が戻ってきてしまう。
迷っている暇はない――。
泉美はそのメールを迷わず削除すると、またいつものように麻生とのやりとりを追った。