一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
 それなのになにかに導かれるように気がついたら好きになっていた。

 ならば……。

 ——でもその先に、これだけは嫌だという道をひとつ見つけて、ためらいながら口を開く。

「晃輝さん」

 晃輝が首を僅かに傾けた。

「私も晃輝さんを愛しています。はじめて会ったあの時、特別な何かを感じたんです。両親のことがあってから、私、海も船も言葉を聞くだけでつらくなるから、いつもその話題は避けるようにしていたんです。でも晃輝さんの話はもっと聞いていたいと思ったんです。私も晃輝さんと生きていきたい。どうすればいいか……わからないけど」

「大丈夫。芽衣の心を一番大切にできる方法を見つけよう」

 力強く彼が答える。その彼を涙に濡れる目で見つめて胸の内にある考えを口にする。

「でもひとつだけ、これだけはダメって思う道があるんです。絶対に嫌だっていう……」

 晃輝が頷き言葉の続きを促した。芽衣は一旦深呼吸をして、再び口を開いた。

「晃輝さんがお仕事を辞めるというのは、私、嫌です。それは選択肢に入れないでください」 

 その瞬間、晃輝が目を見開いた。その瞳がわずかに揺れるのに気がついて、やはり言っておいてよかったと芽衣は思った。

 優しくて強い彼がここまでの決意を口にするのだ。自らの志しを犠牲にすることも視野に入れていて当然だ。

「私、晃輝さんに海上自衛官でいてほしい。お仕事をしている晃輝さんも好きなんです。とても大切なお仕事だって知ったから。だから、それは望んでいません。晃輝さんが、船に乗っていると怖くてたまらないのは確かなのに……それが原因なのに、変なんですが……」

 胸にある確かな思いを口にするうちに、頬を新たな涙が伝った。

 支離滅裂なことを言っているのはわかっているのだけれど。

「私……!」

「わかった」

 声とともに引き寄せられ力強く抱きしめられる。今まで触れられた中で一番強く彼は芽衣を抱いた。

「俺は海自を辞めない。入隊した時の目標に向かって進む。その上で、芽衣のことも諦めない」

 耳元で誓う晃輝に芽衣は心から安堵する。

「よかった……」

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