攻略不可能なクソゲーのヒロインに転生していたので、殺される前に離脱したい 〜溺愛ルート? 何それ?〜
「フェリシー様。エリオット様がお呼びです。すぐにダイニングへ」
「……え?」
家に帰るなり、私を待っていたマゼランにそう告げられた。
エリオットが私を呼び出すことにも驚きだけど、それ以上に私はマゼランのセリフに驚愕していた。
このセリフは……。
頭の中に、前世使っていたスマホの画面が浮かぶ。
水色髪のメイドにこのセリフを言われるのは、『エリオット攻略イベント』開始の合図だ。
嘘……っ! こんなに急に!?
ゲームでは、だいたいそろそろ次のイベントがくると感覚でわかる。
でも、実際にフェリシーとして普通に生活を送っていたために、そのタイミングがまったくわからなかった。
そっか。たしかにそんな時期かも!
でもまだ心の準備が……!
「早くしてください」
「! わ、わかったわ」
準備ができていないとか、そんなことを言っている場合ではない。
もうイベントは始まっているのだ。
少しでもエリオットの機嫌を損ねることのないよう、私は慌ててダイニングに向かった。
エリオットとの最初のイベント……。
それは、嫌なメイドによる『濡れ衣事件』!
もちろん、私はこのイベントの内容もそれぞれの答えに対する結果も知っている。
あの嫌なメイドの顔は忘れないわ。
アイツのせいで、毎回毎回エリオットの好感度をグンと下げられちゃうんだから!