100の涙の物語
私はリョウちゃんに、一通り話した後、お姉ちゃんの住むマンションへと歩みを進める。
リョウちゃんより歩くのが遅い私に、リョウちゃんはスピードを合わせ歩いてた。
リョウちゃんはいつも、私と車道の間に入ってくれた。
今日もまた、そうやって歩いてくれる。
「星、あんま見えないね…」
私はボソッと呟く。
「うん。曇ってて見えないね」
リョウちゃんも私のように、ボソッと呟く。
気付いたらマンションの前まで来ていて、緊張からか気分がさらに悪くなった。
お姉ちゃんの家のインターホンを押す。