海よりも深くて波よりも透明
なんて言ってる間に数日が過ぎた。



そして俺の嫌な予感は当たる…。



相変わらずリアムとサーフスポットで撮影の日々。



その日、撮影を終えた俺は、海岸に上がってぎょっとした。



「は? なんでいんだよ…」



なぜか千咲が海岸に座って俺らを待ってた。



リアムが「(お~、来たか)」と千咲に手を振る。



俺はとっさにリアムをにらんだ。



この人が撮影場所教えたのか…。



「(夏葉に話があるんだと)」

「(だとしても俺に先に言えよ…)」

「(ハハッ、わりぃわりぃ)」



ハハッじゃねえんだよ!



くそ…。



この人はほんっとに!



「(じゃあな~)」



リアムがそう言って俺たちを置いて行った。



俺は仕方なく千咲に目線を向ける。



「で…なに? 話って」

「う…ん。ね、ここじゃあれだからどっか入らない?」

「いや、ここまで来て悪いけど、俺まじで彼女のこと大事にしてっから、不安にさせるようなことわざわざしたくねえ。ここで頼む」

「そう…」



しばらく無言の時間が続いた。



2人の間に冷たい風が通り過ぎる。



「あのさ…」

「ん」

「あたしたち、別れてからずいぶん経ったでしょ?」

「そうだな」

「あたし…夏葉のこと忘れられないんだよね」



やっぱりそう来たか…。



そんなこと今更言われてもな…。
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