The previous night of the world revolution
俺は最初、彼女が何のことを言っているのか、分からなかった。

役に立たなかった…?

「私、今回のお仕事は全くの役立たずだった。いたずらに長引かせるばかりで…。ルレイアが来たら、すぐに解決したのに…」

「あ、あぁ…」

成程。そういうことか。

今回の件で、シュノさんは自分の貢献度が低いと思い込んで、それを気にしているらしい。

「きっとアシュトーリアさんにも失望されちゃった。私は役立たずだって…」

「…そんなことないですよ」

あの人に限って、シュノさんを役立たずだと思うなんて。

絶対ないと断言出来る。

「大体、俺だって大したことはしてないんですよ。いつも通りのお仕事をしただけで。人間、向き不向きがあるんですから。今回の仕事は俺の方が向いていたってだけじゃないですか」

「…でも、私が出来ることはルレイアにも出来るわ。それなのにルレイアが出来ることは、私には出来ない」

「…」

「ルレイアの方がずっと後に入ってきたのに、私より遥かに『青薔薇連合会』に貢献してる。それなのに私は…」

…ふむ。

どうやら、かなり気に病んでいるらしいな。

それで、さっきから元気がないのか。

「…帝国騎士団から『連合会』に移って、良かったなぁと思うことは多々ありますけど…。その中でも最たるものが、助け合いの精神があるってことなんですよね」

「…そうなの?」

「そうですよ。あの場所は…騎士団では、仕事は『出来て当たり前』で、『出来なかったら罪』でしたからね。人に頼るとか助けてもらうってことは、結構難しかったです」

その点、ここは良いところだ。

「人間なんだから、出来ることと出来ないことがあるのは当然でしょう?シュノさんは、俺のことを何でも出来るスーパーマンみたいに思ってるみたいですけど…。俺だって下手くそなこと山ほどありますよ?」

「…でも、私より優秀だわ」

「あなただって優秀ですよ。優秀な人だなぁって、あなたの部下だったときからずっと思ってますよ?」

大体、そうでなきゃ俺が従う訳がない。

ずっと実力主義、成果主義の組織で生きてきたから、尚更だ。

使えない上司だと思ったら、俺は従わない。事故にでも見せかけて始末した方が良いくらいだ。

でも俺はそれをしなかった。シュノさんが、とても優秀な人間だからだ。
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