意地悪な兄と恋愛ゲーム


「なんの音だよ?」


「誰か、いるんじゃねぇ?」


「マジ?ロッカーの中だぞ!?」


 部員の一人の足音が、ロッカーに向かって近付いてきて、美咲は胸の前で手を組み合わせて必死に祈った。


 ダメ、ダメ、ダメ!!

 お願いだから開けないで_____!!



「つか、いる訳ねーじゃん、ホラ」


 ガチャンと開けられたのは、美咲のいるロッカーの隣。


「なんだ、気のせいかよ」


 奇跡的な神回避に、心臓がバクバクとなっている。


 あ、あ、危なっ…!


「それより、早く飯行こうぜ。夜から天気悪くなるってよ!」


 しばらくして、ようやく部室のドアの閉まる音。


 途端に、辺りがシーン…と静かになった。



 い……

 行った…

 良かったぁ……



 ロッカーの中から這いつくばるように出ると、大きく息をはいた。


 心の底からホッとして、腰が抜けたかのように、その場に座り込む。


「た、助かった……」


 ただの平凡な図書委員は、こんな場所に縁などない。
 
 とにかく、早く帰ろう! 



 ところが____



 ガタッ、ガタガタ__


「あ、あれ?」


 ドアが開かない!


 部室のドアは、外から鍵がかけられていた。

 そして内側から、鍵の解錠は出来ない仕様のドアだった。


 ど、ど、どうしよう……

 サアッと身体の中から血の気がひいていく。


 私、撮ることに夢中で、その後の事何も考えてなかった。
  



 完っ全、閉じ込められてる_____!!






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