女嫌いな年下のおとこのこ
その事件が起きたのはずっと昔、聖が高校一年の頃だ。
丁度夏休みで、その日は高校の夏期講習が午前中で終わり日が一番高い頃に帰宅した。
汗だくになった制服が気持ち悪くてシャワーを浴びてリビングで涼んでいた。
母はパートで昼間は自分1人。
この時間だけがテレビを占拠出来る貴重な時間で、期末テスト期間中に見逃した番組を一気見しようとリモコンを手にした時だった。
ピンポーンとインターホンが鳴り、来訪者を確認する為ドアホンを覗くと聖と同じ学校の中等部の夏服に身を包んだ幼馴染が立っていた。
瑞希が中学に上がる位から思春期に突入して家の行き来はさっぱり無くなっていたので、突然の訪問に驚きつつもいつものようにドアを開けた。
「瑞希くん?どうした…の……」
目に入った瑞希の顔を姿を見て言葉を失った。
制服は皺だらけでボタンも幾つか取れて乱れている上、腕には何かに縛られたような鬱血痕、何より彼の幼さの残る顔が涙でぐちゃぐちゃに歪んでいた。
「瑞希くん…!?一体何が…ーー」
瑞希は声もあげず、聖に縋りついてきた。
体があり得ない程に震えていて、まともに話せる精神状態ではなかった。