女嫌いな年下のおとこのこ
「飛鳥もいるなら丁度いいや」
「え?」
「話は後で。早く行こうぜ」
色々と気になりつつ、一行は会社から比較的近いチェーン店に入った。
各々が注文を終えて料理を待っている中、聖は隣に座る一ノ瀬に声を落として単刀直入に聞いた。
「それで、私に聞きたい事ってもしかして飛鳥くんの事?」
どうやら予想は当たっていたようで、飛鳥も同様に抑えた声で「話が早くて助かる」と答えた。
「一ノ瀬くんまさか、飛鳥くんのこと狙って…?」
「いやいやいや!俺じゃないって」
慌てて否定する一ノ瀬の様子を見て頬杖をつく。
確か一ノ瀬の課にも何人か若い女性がいたし、その辺りから聞かれたかなと思い至った。
飛鳥の整った容姿が部署内でも目立っている事は知っていたし、実際に今も飛鳥は女性の事務員達にしっかりと横をキープされているので詮索を入れられる事は特に驚きはしなかった。
「白河の察しの通り、知り合いからどんな奴か聞かれてさ。…でも俺、飛鳥とはあんまり仕事で関わりないから困ってて」
白河から見てどう?と聞かれ聖はうーんと少し考える。
「いい子だよ、それに優秀。一教えたら十理解してくれる。あとクールに見えるけどコミュニケーション能力もちゃんとある。飲みに誘っても来てくれるし…何よりあの課長のセクハラを上手くスルーしてた」
「お前のとこの課長、怖いもん知らずだもんな…」
聖の上司のデリカシーの無さは他の課にも知れ渡るところらしい。
それはさておき、あれだけのラブコールを送られながらも全く気付いてない様子の飛鳥を眺めていると、少しおかしくなってきた。