女嫌いな年下のおとこのこ
「……無い、かな。飛鳥くんには、無い」
「えー…だとしたらお前、相当枯れてんな」
「君も大概失礼だな」
そんなんじゃ課長みたいになるよと言うと「それは勘弁!」と笑って返された。
その後徐々に食事が運ばれてきて、どちらともなくその会話はしなくなった。
食事に来たメンバーと取り留めもない話をしながらも、聖の頭の中では一ノ瀬に言われた言葉がぐるぐると渦巻いていた。
飛鳥に対して何も感情が湧かないことを枯れていると言うならば、今この芽生えつつある感情は一体何だというのだろう。
…いや、考えるのはやめよう。
自覚したところで、無謀な事なのは考えずとも分かる。
それならいっそ、一生気付かない方がいい。
そうして聖は自分の気持ちに蓋をし、笑顔で取り繕った。
自分へ向けられた視線に、気付きもせずに。