女嫌いな年下のおとこのこ
結果、リモートを取りやめて出社した事が功を奏し、トラブルはその日中に何とか落ち着いた。
午後からのY社員との直接の話し合いも運良く大きく揉める事なく纏まり、定時は過ぎたものの21時を前にして帰宅の目処がたった事に喜びを覚えた。
スマホを見ると昼過ぎに瑞希へ送った連絡の返事が来ていた。
晴れて抜糸となり、今夜からは包帯も取れ軟膏とガーゼのみのケアで良くなったそうだ。
ついでに入浴の許可も出たようで、シャワーだけで不服そうだった瑞希の満足げな顔が目に浮かぶようだった。
追加の連絡で瑞希も今日は知り合いと外で済ませるらしく、聖は自分の夕食はどうしようかと考えながらPCの電源を落としていた。
「白河さん、お疲れ様です」
声をかけられ座ったまま振り返ると、飛鳥が立っていたので聖も笑顔で「お疲れ様」と返す。
「今日は出社してくれてありがとうございます。助かりました」
「お礼なんていいよ、私の案件だったんだし」
「正直、今日中に落ち着くと思わなかったので驚きました。白河さん凄かったです」
「はは…ありがとう」
絶対に明日に持ち越したく無かったので、まあまあ気迫に満ちていた自覚はある。
大事なPCのデータが人質に取られていたなんて恥ずかしくて死んでも言えないけれど。