浅黄色の恋物語
 なんかかっこいいことを書いちゃった。
そんな柄でもないのに、、、。
 こうして夜になると刺身を摘まみながらいろいろと考えるんだよ。
今、少子化が恐ろしい勢いで進んでいる。 どうしてだろう?
みんながみんな、ゆとりを無くしてしまったから。
「一寸先は闇」と言われるくらいに経済が激動しまくってその日の暮らしも覚束なくなってきたから。
 夫婦共働きでもギリギリ生活と言われる今の社会、何がどうおかしくなったんだろう?
一つには各家族化が定着してしまったこと。
二つには地域総不信が蔓延してしまったこと。
 この二つは見落とせない真実だと思う。
昭和の時代まではまだまだ大家族が残っていた。
3世代4世代で協力しながら暮らしていた人も多かったはず。
 ところが集団就職が始まった頃から各家族化が急激に進むようになる。
だって東京に出て行ったら大家族では暮らせないからね。
 そこから家族が寸断されるようになってしまった。
それで最初に出てきた問題が老々介護だったんだよ。
 年寄りだけで暮らそうったって楽じゃないよ。
それが解決されないままに少子化の問題が出てきたわけね。
 年寄りは助けが得られない。 若夫婦も助けが得られない。
それでどっちも困りに困って立ち往生してしまったのが今の社会だ。
 どちらも見栄とプライドを捨てなよ。 大家族に戻るんだ。
そうじゃないとこの問題は解決しないよ。
 そりゃあ姑がどうの、嫁がどうのって互いに言いたいことも有るだろう。
でも言いっぱなしでは何の解決にもならないんだよ。
 そして地域総不信問題ね。 引っ越し族なら身に沁みて分かるだろう?
「よそ者は入れない」ってやつね。
ぼくだって嫌というほど味わってきたよ。 引っ越し族だから。
 団地だって何だって問題が起きれば「あいつならやるだろう」ってすごい勢いで睨んでくる。
だから軽い付き合いはしないようになる。 お互いにマイナスにしかならないのにね。
 互いに面と向かって交渉することもしなくなる。
そうすればさ、地域のイベントは仲良しの集会になってしまってそこだけが浮いてしまう。
そうなると活気が無くなるから人が逃げ始める。 気付いたら誰も振り返らない。
そんなんじゃあ、あまりにも寂しいよね。
 町内会も同じ面々で楽しくやってたって、いつかその人たちも居なくなる時が来る。
組織は新陳代謝しなくなったら終わるんだよね。 柔軟性が無くなってしまう。
人間だってそうだろう? 動かなくなれば筋肉は痩せて固くなる。
点滴に頼るようになれば消化管が退化してしまう。 寝たきりになったら歩けなくなる。
 月々日々に新しい物を受け入れていかないとダメになるんだよ。
< 98 / 127 >

この作品をシェア

pagetop