浅黄色の恋物語

　赤ちゃんが生まれるのもおばあちゃんが死ぬのも地域の中だった。
隣近所　みんなが集まって何やかやと世話を焼いたんだ。
　葬式だって結婚だって地域の一大イベントだった。
何か有るとみんなで寄り集まって井戸端会議をやった。
焚火をしながらみんなで情報交換をした。
　盆踊りはこれまたみんな集まって夜まで踊り明かしたもんだ。
雛祭りともなればみんなで雛壇を飾って歩いた。
　そんな何気ない交流がいつの間にか消えてしまった。
喧しいじいさんが必ず居て悪さをすれば遠慮なくお説教をされた。
　通りには必ず駄菓子屋が有って10円玉を持って子供たちが屯していた。
そして名物のようにチリ紙交換と竿竹屋が走り回っていた。
冬になると焼き芋屋とチャルメラが走ってくるんだよなあ。　あんな昔に戻りたい。
　おやおや？　77歳で結婚を決意されたんですか？
お相手も76才だそうで、、、。　おめでとうございます。
　世間には「あんなじじいとばばあが、、、」って言う人も居るでしょう。
思うのは勝手ですよ。　何を言おうとその人の自由ですからね。
　でも決意するのもその人の自由です。　攻めることもやめさせることも出来ません。
決意したのなら精一杯幸せに暮らしてもらいたい。　そう思う。
　この小説を字で言ってるような展開になってきましたねえ。　嬉しい限りです。
80歳であろうと100歳であろうと結婚は自由ですからねえ。
　「そんな年で結婚したって、、、」って思ってるでしょう？　そこのあなた。
「なぜ？」は本人じゃないと分からない。　周りが詮索したって分かりっこない。
本人同士が考え抜いて悩み抜いて出した結論です。
元気で幸せに暮らせたらそれでいいじゃないですか。　見守りましょうね。
　「あなたはやりたいことがたくさん有って羨ましい。」ってよく言われる。
でもさ、やりたいことってその人じゃないと分からないんだよね。
　そして気付いたら「もうこんな年になった。」って落ち込んでしまう。
それじゃあダメなんだよ。　体は老いても命は永遠に成長し続けるんだから。
　体は死んでも命はずっと生き続けてる。　だから諦めないでもらいたい。
死ぬってことは次に行くってことなんだよ。　ステージアップするんだ。
　そのためにも今を諦めないでもらいたい。　逃げないでもらいたい。
ぼくだって厳しい中を潜り抜けてきたんだよ。　楽じゃなかった。
　お茶と飴玉で凌いだ時も有るんだ。　金が無くてさ。
本当にどうしようもなかった。　でもここまでやってきた。