千代子と司 ~スパダリヤクザは幼馴染みの甘い優しさに恋い焦がれる~
第5話 夜を過ごす


「こんな感じかな」

 家具のほとんど、ほぼ全てが司の提供による引っ越し作業になってしまった千代子。
 新規購入されたベッドには同じく真新しい布団一式が置かれている。今日も司の部屋に来ていた千代子は今、彼の布団に使っているものと色違いの淡いペールグリーンの鮮やかな色合いのカバーをちょうど掛け終わった所だった。

 元はゲストルーム用の広い部屋。
 本当に自分がここに住んで良いのかな、と不安になりながらも昼間は仕事で出ている司とは空き時間を見計らって作業の進捗状況をメッセージにして交わしていた。
 足りていない物は無いかどうか何かと心配してくれているがもう、千代子にとっては十分だった。

(それに今日、泊まろうと思って……メッセージ送っておいたけどすごい緊張感が……)

 週末の金曜日。
 松戸の知り合いらしい屈強な体をした者達の手によってあらかじめ千代子が段ボール箱に詰めておいた季節外の服や日用品は既にこの部屋まで届けられ、大体の引っ越し作業も終わりに近づいていた日。
 元から小さなアパートに住んでいた為に持ち物が少なかった千代子はまだまだ空きのある部屋とクローゼットに「司さんは凄いな」と苦笑しながら既にもう相当な金額を使わせてしまっている事に、何とも思っていないような司の姿に気が退けてしまっていた。

 だから、何かしてあげられる事があれば返したい。どんな形でもいいから、こうして自分の生活が良い方向へ変わって行っている事へのお礼がしたい。
 料理はなるべく司の体調を考え、掃除も丁寧にするよう仕事として請け負っていた時と変わらず、清潔であるよう心掛けていた。

 そして、夜。

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