低温を綴じて、なおさないで
「久々に古賀ちゃん拝みてえ〜……って、直に殺されるかそんなん」
「……おまえは彼女だけ見てろよ」
碧に限って栞を手を出そうとかちょっかいかけようとかは確実にないとわかってはいるけど、表情がこわばるのはもはや生理現象だ。
「あーこわいこわい。まあ、小さい頃からいちばん近くにいた好きな子があんなにも可愛いと大変だな〜」
「そー。最近人気のモデルとか女優とかアイドルより断然、超可愛い上に恋愛体質。それで俺のことは幼なじみとしか見てないから」
「もう惚気にしか聞こえねえけどな。“関係壊したくない”だっけ? 直くん臆病だね〜」
「うるせーよ。このまま隣で笑ってくれるなら、それでいい」